2006年Jシリーズ第1戦・八幡浜

2006年12月26日


キャノンデールオプティモスカルペル・LEFTY(FOX・テラロジック)
ホイール:MAVIC(CROSS MAX UST)
タイヤ:F/NEDUSA(1.80) R/MEDUSA(1.80)
F/2.1気圧 R/2.0気圧
ブレーキ:マグラSL
シフター:SRAM(グリップシフト)
ヘルメット:BELL(SWEEP R)
サングラス:ADIDAS(a151 supernovaS)
シューズ:DIADORA
ペダル:crankbrothers(Egg beater)

コース:6.6km×5周(マッドコンディション)

結果:2位

ついに2006年のシリーズ戦が始まった。
去年のレースが終わってから、まず自分の理想とする形を模索した。
そこで出てきた、理想像をオフシーズンの間一つ一つ埋めていった。
身体を大きくするために体重を6kg増やし、その状態で走れる筋力をつけるためジムに通い、週末にはシクロクロスで高い強度を身体に与え、「大きくても走れる身体」を作っていった。
その他にも、ランニングで下半身の強化をし、バランスボールで身体のつながりを強化していった。
春先にはロードレースに積極的に参加し、レース勘を取り戻していった。
これだけ、目標をしっかり設定してのオフシーズンは初めてというくらい、充実したオフシーズンを過ごす事ができていた。

だから、開幕戦というレースに対する不安はあったものの、それ以上に新しくなった自分を早く試したくて、レースが楽しみで仕方がなかった。
レースという舞台を借りて、自分を表現したかった。
そのため、思いのほかリラックスした状態で、会場入りできたように感じた。
会場は、愛媛県八幡浜の特設コースで、2年前にアテネオリンピックの代表選手を決めるために使われたコースをほとんどそのまま使用し、レースは行われた。
アテネ選考レースの時は、3位入賞と相性の良いコースということで、試走の段階から良い感触を得ながら走っていた。
今回は金曜日に会場入りし、万全の体制でレースに臨むことができた。
金曜日の試走では、路面はドライコンディションで、最適なタイヤ選択、サスペンション調整を入念に行った。
コースの状態は2年前に走ったときより、荒れていて、集中力が必要となってくるコース設定になっていた。
土曜日はあいにくの雨。
コースは一気にマッドコンディションへと変貌し、前日とは全く違うコースのように感じた。
土曜日の段階でこれだけの雨が降れば、レース当日もコースはマッドコンディションが想定されたので、しっかり試走を行った。
もちろんタイヤはマッドタイヤ(MEDUSA)、マシンもマッド仕様を施し、泥にしっかり対応した状態でコースチェックをした。
ペダルはクランクブラザーズ(エッグビータ)で、泥に対して何の心配もなかった。


これまで、3年間チームで養ってきたデータを集結させ、チーム一丸となって、レースに対応しているように感じた。

レース当日は、早朝は小雨もちらつく曇り空。
レースの始まる時間には空も晴れてきて、レース日和となった。
しかし、その分コース状態は悪化して行き、スポーツ・エキスパートの選手を見ると、泥がまとわりついていて、レースは完全な「泥レース」が予想された。
タイヤは迷わず、MEDUSA(26×1.8)。泥に対しては絶対の信頼をおいているタイヤである。
レースを終えたライダーなどからコース状況を聞きだし、レース前に多くの情報を自分の中で整理していった。
アップはレースの約1時間前から行い、徐々にレースに対する集中力を高めていった。

レースは予定されていた時間より30分遅れの13時スタート。
周回数は、6周から5周へと変更された。(1周6.6km)
レース前、スタッフと最後のミーティングを交わし、ハイタッチでスタートラインへと向った。
高まる僕のテンションを察してか、監督は「落ち着け落ち着け!!!」を連発していた。

スタート位置は、前列1列目。位置は右から2番目。
スタートループがグランド左回りだったため、外側から「グイン〜〜〜!!!」と行くイメージができていた。
変な緊張は全くなく、しっかり集中する事ができていた。
13時、予定とおり、号砲がなった。
「今年も始まった〜〜〜!!!!」とペダルに力を込めた。
スタートは常に4番手くらいをキープし、呼吸の乱れもなく、落ち着いて周りを見渡す事ができた。
そのままの状態で、シングルトラックに突入し、荒れた路面に対応しながら、「レースが始まった!たのしぃ???!!!」と感じながら、レースは進んでいった。
今回は、下りでは少しくらいスピードを抑えてでも転ばない事に集中した。その方がトータルでのラップタイムは速いことが去年までのデータでわかっていたいたので。実践した。
その分、自分が積極的になれる上りでは、「いきますよ???!!!」って感じで、ペダルに力を込める事を決めていた。
レースも始まり半周が終わった時には、3位に浮上。非常に落ち着いた気持ちで、その位置をキープすることができていた。
周りは去年開幕戦で優勝した辻浦選手、オーストラリアで長期合宿を重ねてきた野口選手だった。
「この位置で、最後まで走っていれば、終盤自分にチャンスが巡ってくる!!!」と感じたので、冷静にレースを展開していった。
コース後半、3分ほどの舗装された長い昇り坂で、「先頭にでれる!!!」と感じたので、何のためらいもなく、「スーーーゥ!」と前に出た。
足のかかりも良く、自分のペースで登っていくと、後ろとの差が少しづつ開いていくのがわかったので、「このままのペース続行!」とマイペースを維持した。
そのまま、のぼりのトップに到達すると、呼吸を整え下りに入っていった。
「落ち着け!落ち着け!」と慎重に下りをこなしていった。やっぱり経験豊富な2人には下りで差を詰められるものの、あせりは感じなく、先頭パックで1周目を終了した。
メイン会場に戻ってくると、たくさんの声援を感じた。正直「うれしかった☆」と同時にテンションも上がってきた。
もうこの頃には、ランナーズハイ状態で、苦しみを感じない状態に突入していた。
「いきます??? いけます!!!」状態で、2周目を走った。
途中、辻浦選手がメカトラで、後退してからは、野口選手との争いになった。
2周目は得意の登りで差を広げる事に成功し、2周目終了時点で、40秒ほどのリードを保ち、1位通過することができた。
その後も、「下り抑え目、登りガッツリ作戦」でレースを消化していった。
3周目以降、最大で1分くらいのリードをつけたが、後ろを気にするのではなく、「前へ前へ!」と走る事に集中していった。
しかし、4周目勝ちを意識し、走っている時に、なんでもない下りの部分で、転び、全身に「攣ってます注意報」が発令され、両足の表と裏全部、それと腹筋が攣り、動けなくなった。ロボットみたいな動きで、自転車に跨るが、思うようにペダルに力が伝わらなく、ペースは一気に落ちた。
そうしているうちに、後ろから「ズンズン!!!」野口選手が迫ってきて、ドッキングした。
言う事の聞かない身体にムチを打ち、4周目は野口選手の後ろで、レースを展開した。

野口選手の後ろで、感じたのは、物凄い「落ち着きオーラ」と、ロスの少ないラインを確実に走るテクニックは「サスガッ!!!」と感じた。
レース中、「このテクニックは絶対自分のモノにする!!!」と強く感じた。
4周目、ドロドロで担ぎの区間があったが、そこで僕が先行し、その後の登りで、さらに差をつけていった。
ここで、野口選手が無理に追ってこないのは、僕の力量を知っての事だと、レース中わかった。
でも、僕にできることは、自分のいけるところで、積極的に走る事だけだったので、迷いなく先行した。
10秒ほどのリードを保ったまま、最終ラップに突入。
シングルトラックに入る手前で、野口選手に先行を許し、「追う展開」に。
ベテランの走りで、少しづつ差は開いていった。
でも、見えなくなく範囲ではなかったので、自分のペースを守った。(転んでリタイアなんて最低でしょ!)だから。
すると、上りでは少し差を詰める事ができた。
しかし、完全に追いつくという感じではなく、微妙な感覚をキープしたまま、残り半周となった。
最後の長い登り、力いっぱいにペダルにパワーを伝え、追った。
目の前10mに優勝が見えていた。
「負けるな!自分に!負けるな!・・・」と自然と声がでた。
最後の下りでは、また足全体が攣り、ぺダルを漕ぐ事さえできないくらい、消耗していた。
でも、「最後まで全力!!!」が僕のポリシー。
結局野口選手に追いつく事はできなかったが、ゴールするまで全力で走り2位だった。

自分の持っているものすべて、出し切っての2位だと思う。

今年は「勝ち。」を意識して練習している。
今までは「追う立場」。
でも、今回は「追われる立場」を感じることができた。
今までは、感じたくても、感じることができなかったトップで走る事というプレッシャー。

そのプレッシャーを感じた今、新しい感覚が自分の中で確立されてきている。
レースを通して、今自分に足りないモノ、そして、伸ばしていかなければいけないモノがはっきりした。

今度の箱館山では「NEW KAZU!」を見せる事ができそうだ!


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