Jシリーズ第5戦 長野県富士見

2011年9月20日


 今年目標としていたすべてのレースが終わり気持ち的に疲労感を感じながらレース当日を迎えた今回。なかなかレースに気持ちを持っていくことができず苦しかったが、世界選手権で感じた課題を今回のJシリーズ戦で試すという意識をすることでなんとかレースを走れる精神状態を作る事ができた。レースはスタート後から単独トップとなり自分の意識する走りに近い走りができていたが、2周目後半でチェーンカットにより大きくタイムロス&修理で後退。その後、気持ちを入れ替え先頭まで追い付こうと踏ん張るが最後は力尽きて3位でゴールとなった。すべてを全力でやった結果なので次で結果を残すことに集中していきたいと思っている。


 今年富士見でのレースは3度目で普通であれば飽きてしまうところだが、今年はレースごとにコースをリニューアルし、どれも新鮮な気持ちで走る事ができた。素晴らしいコース設定を行ってくれる関係者に感謝の気持ちでいっぱいである。これまでにはなかった丸太超え、DHコースを一部使うなど工夫が見えるコース設定でレベルが1段階上がった印象を受けた。これはとても良い事だと思う。エリートのレースはこれを7周でレースが争われた。
 約1カ月ぶりとなる日本のレースはとてもリラックスした状態でスタートラインに並ぶ事ができた。伸び伸びと世界選手権で感じた課題をクリアしていく事を意識してスタートのカウントダウンをしていった。

バンッ!の号砲とともにレースがスタートした。世界で戦うためにはスタートの位置取りがとても大切で、そこを意識しながらの走りが続いた。はじめのシングルトラックにはトップで入り下りを丁寧に下っていった。それも前日に雨が降り試走の段階とコースが変化している事が予想されたからだ。その後の上りは徐々に負荷を上げていく走りで、課題をクリアするように走っていった。後ろを見れば離れていくので、その後はとにかく自分の走りに集中することができた。1周目はあっという間に終わり2周目に入っていった。


 2周目もとにかく自分の走り、課題をクリアする事にこだわって自分で決めたギア設定を崩すことなく走っていった。後続とは1分との声も聞こえ自分の想像以上に差が空いていくと感じながら走っていた。そして、コースも半分を過ぎた所のバックストレートの所で自分の足元からチェーンが外れていくのが見えた。とっさにバイクを止めてチェーンと外れたミッシングリンクを探していた。無意識の行動だった。見つからないリンクに頭の中では『DNF』の文字が浮かんだ。が、次の瞬間『走って戻っておいで!』の声に『直してリスタートだ!』という気持ちがわき出てきた。この時すでに数名に抜かれていたが、まだまだいけるという自信とともにバイクを押してテックゾーンまで走っていった。テックゾーンではCOGメンバーが用意してくれたリンクが用意してあり、それを即座に取り付けリスタートする事ができた。遠くを見れば先頭がまだ見え、それに追い付くことしか頭になかった。その後はとにかく全力で走り、先頭の情報などを聞きながら自分に勝機がある事を感じながら走っていた。リスタート後順調にタイム差が縮まっていたが、ペース配分に無理があって後半は失速してしまった。そして、体感的にレース時間が長い事が感じられ、急にコーラを欲すると同時にフィードゾーンで『次コーラ!』と叫んでいる自分がいた。準備はしていなかったのは知っていたが、気持ちの声がそのまま出てしまった。補給をしている妻には迷惑をかけたが、それもレース。最終周前で3位になりそれをキープする形でゴールとなった。


 今回はチェーンを切ってしまった事で気持ちの冷静さを欠く走りになってしまったと反省している。しかし、あの瞬間のレース中に最善と思う判断で行動し、全力で走った事に嘘はなく後悔という気持ちはゴール後少しも感じる事がなかった。そして、レース中自分を信じて応援し続けてくれるたくさんの方々の声援は本当に力になったし、感謝している。『あの瞬間、レースを止めなくて良かった。レースをあきらめなくて良かった。』と強く感じている。

今回のチェーンカットの原因はハッキリしている。それは、レース前日に泥が付いた状態でリンク部分へのグリス無しにミッシングリンクをつなげた事が原因である。製品に問題があるのではなく、その時にチェーン交換した自分に責任がある。同じ事は繰り返さない。今、KMCを使っている人は参考にしてもらいたいし、これから使う人はこれに注意していれば切れないという事を知ってもらいたい。事実。これまで自分が3年間使っていて一度も切れていないチェーン。それは『KMC』のチェーンであるという事を。

これからもあきらめない走りを続けていくので、引き続き応援お願いします。

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photo by NAKAO


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