2011MTB World Championships Champery

2011年9月 7日


2011年MTB世界選手権大会に参戦してきた。非常にテクニカルなコース設定、レース当日の不安定な天候に苦戦しながらのレースであった。結果は77位。レース途中80%ルールで強制終了させられたので悔しさは残るが、レースのその時その時を全力で走れた事に間違いはない。世界の中でまだまだ発展途上にある自分にとって、このレースの結果で落ち込んでいるようでは上にはいけない。ここから学んだ事を確実に自分のものにして、来年につなげるきっかけにしたいと思う。ただ、このレースのためにできる準備を進め気持ちを張りつめてきたので、レースの終わった今は強い疲労感を感じている。


 今回のコースは自分の経験上一番テクニカルなコースといっていいほど各所にテクニカルゾーンが設置されていた。近年の『魅せるXCO』にふさわしい映像映えするポイントが多く見る方には楽しいコース設定となっていた。そのため、コース試走には十分な時間と練習を重ねレース当日を迎えた。

 レース当日。天気予報では曇りのうち雨。スタート時間はこれまでの経験にない16:30スタート。気持ちと身体のウォーミングアップを入念に済ませてスタート地点に並んだ。周りを見渡すとこれまでのワールドカップで見た顔がずらりと並んでいて嫌な緊張感なくスタートの時間を待つ事ができた。気温は日陰のポイントに入ると少し涼しさを感じる程度だった。スタート時間が近づくにつれて選手間の隙間が埋まっていく。自分の狭い隙間にバイクを押しつけスタートの時を待つ。

笛のホイッスルとともにレースがスタートした。スタート同時に集団内は不安定になり、落車のリスクと戦いながら自分のラインを確保するように進んでいく。はじめの平坦路の区間では思うように前にいけず集団の流れに身を任せるように進んでいった。そして、ループ半分の箇所のコース中一番長い上り坂で順位を上げていった。頂上付近に差し掛かると選手はバイクを降りて、狭いシングルトラックの下りめがけてコースわきギリギリを駆け抜けていった。自分も同じように隙を縫うように渋滞する集団をかき分けて前に入っていった。が、集団内に入ってそんなにしない時に、自分のペダルがコーステープに絡まり身動きが取れなくなってしまった。集団は密集し、後ろからの圧力でバイクをテープから外すことができなかった。幸い観客の数名が手を貸してくれレースを再スタートした時にはかなり後方に取り残される形となってしまった。このシングルトラックは集団の密集とテクニカルな事もあって、下りの半分くらいはバイクを押して進んでいった。コースが狭くシングルトラック率が高い事でその後はその流れに乗りながらスタートループを終えた。


 スタートループを終え本コース1周目。スタート地点に戻ってきたときにはすでにトップと2分半近い差がついていた。(スタートループは6分強)つながる集団は皆がフルもがきで狭いシングルトラックに入る前の位置取り合戦が激しかった。テクニカルポイントでは自分のラインを外して1人1人を抜いていく事をしていった。コース中を張り巡る根っこは選手間にスピード差を生み、広い場所では抜けるがそうでない箇所では渋滞が発生してペースは平均を下回るスピードになっていた。スタートで前にいけない自分を含めた多くの選手が一番苦しい時間帯。1周目はインターバルの激しい周だった。


 2周目。天気予報通りに雨が降ってきた。激しくはないが確実にコースはスリッピーな状態になっていった。コース内は渋滞がなくなりペースアップすることができた。まだ森の中は雨の影響もなく練習通りの走りができた。


 3周目。同じペースの集団でレースを展開していく。シングルトラック内の根っこ区間で幾度となくミスをして集団においていかれた。荒れた呼吸によって集中力が散漫になってしまった。


 4周目。雨が激しくなり根っこの多いコース内もかなりスリッピーな状態に変化していった。試走の段階で雨が降った時の事を考えながら試走はしていたが、予定以上のコース変化に自分の対応が間に合わず転倒を繰り返す。悔しいが転ぶたびに気持ちを切り替え全開でペースを上げていく。まだいけると感じていたが、トップのスピードが速く80%ルール適応で強制終了となった。-3LAPSの77位でレースを終えた。最大心拍数189拍 平均心拍数175拍

イメージではもっと上を目指していたが、コース設定、天候の変化などに苦戦する形で今回の世界選手権を終えた。もっと平坦路で集団から抜け出す力をつけなければいけない。テクニカルセクションももっとタフに走る精神力、テクニックをつけなければいけない。世界の中でまだまだ発展途上にある自分にとって今回の経験で感じた課題を確実にクリアしていくことが来年につながると感じている。レース後感じた事がある。それは今年日本を飛び出しさまざまな環境でこれまでにないレースを走ってきて、その都度に考えその都度レベルアップを感じながらシーズンを戦う事ができた。まず日本を飛び出すチャンスをくれたスポンサー、家族に本当に感謝したいと感じた。今しかできない事で、時間の限られたこのチャレンジに全力で出来た事を感謝したいと思う。そして、このチャレンジは続けなければ2011年を活かしていく事ができないと感じた。やらなければいけない事はハッキリしている。決められた時間の中で最高の高みを目指して。2012年のオリンピック枠2枠に貢献できるように。そして、オリンピックで最高の走りをするために。応援よろしくお願いします。 


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