2007年韓国ヒルクライムレースレポート

2007年8月30日


レースレポート   
                             山本和弘

大会名・・・2007年韓国ヒルクライムレース 
日時・・・2007年8月26日
場所・・・韓国 江陵(カンヌン)
競技内容・・・マウンテンバイク エリートクラス
天候・・・晴れ 
チーム名・・・キャノンデール・ディアドラレーシングチーム
使用機材  マシン・・・キャノンデール タウリン(Mサイズ)
      ホイール・・・MAVIC CROSSMAX SLR
      タイヤ・・・MAXXIS MAXXLITE310
      シューズ・・・DIADORA TEAMRACER MTB CARBON
      サングラス・・・adidas (supernova)
      ヘルメット・・・BELL スイープR
      ペダル・・・crankbrothers (egg beater 2ti)
      チェーンオイル・・・EVERS PRO “DRY”(carbon chain spray)
マシンケアキット・・・PEDRO’S

レース結果・・・1位(1700人)

レースレポート・・・久々の国外遠征となった今回のレース。レース10日前くらいにいきなり遠征の連絡があり、あわただしく準備を進めた。場所は韓国の江陵(カンヌン)。韓国半島の左側はソウルで、その反対側が今回のレース会場となった。レース会場のメインとなった江陵は、海あり、山あり、湖ありと、観光で栄えた街で、活気を感じることができた。年間観光旅行者は2,000万人。ソウルより4?5時間で移動することができた。
 

 今回の遠征は、韓国でMTBレース活動をしている方々の配慮により、とてもスムーズ且つ、内容の濃い遠征となった。日本からの招待選手は2007年MTBチャンピオンの竹谷選手と僕の2人であった。
 今回のレースは、韓国では珍しいヒルクライムレース。(韓国ではヒルクライムレースは年間2度ほどしかないようだ。)クラスは、MTBクラス、ロードクラス、小径車クラスと分かれていて、僕たちはMTBクラスに出場した。コースは、フルオンロードで18kmの道のりであった。初めの4kmほどはほぼ平坦で、相当スピードが出ることが想像された。車線は3車線。日本でこれほどダイナミックに道路を閉鎖するレースはないのではなかろうか。試走はレース前日に、竹谷選手と1度登った。斜度はそれほどの角度ではなく7?9%といった感じ。ギアもフロントはアウターですべてこなせる位のコースだった。
 今回は、このレースのためにキャノンデールより、最新のフルカーボンバイクを用意していただいた。名前は「タウリン」。重量は軽々と10kgを切るもので、踏み出しの軽さは世界一と言っても過言ではない、最高のバイクであった。フルカーボン&リジットのバイクは、フロントサスペンションをロックしてしまえば、あたかもロードバイクに乗っているかのような錯覚に陥るほど、スムーズな走りを可能にしてくれる。キャノンデールのロードバイクのテクノロジーをそのまま、MTBに応用したのだから、乗り味が似て当然のように感じる。今回のように、MTBのクラスで、オンロードヒルクライムと限定すると、肩を並べる他のバイクがないように感じる。それくらい完成度の高い、バイクである。
 そして、もう1つ。このレースのために秘策パーツをチョイスしていた。それは、世界最軽量MTBタイヤである。MAXXISより発売されている「MAXXLITE310」というタイヤである。その名の通り、重量は1本310g。驚くほどに軽く、タイヤ重量の軽さが、そのまま走りの軽さへと反映されている。韓国でも多くの選手が使っていたことからも、今回のレースにはBESTチョイスなタイヤと言えるだろう。
 あと、他にも軽量パーツ満載で今回のレースに臨んだ。ペダルはクランクブラザーズの「egg beater 2ti」。1ペアで200gを切り、それでいて確実に力を伝えられるこちらのペダルは、今回の大きな味方となった。そして、タイヤのチューブもMAXXIS 「FLYWEIGHT MTB」を使用した。こちらは、1本80g台で、踏み出しの軽さに貢献してくれた。
 レース当日、早めに会場入りし、準備を進めた。韓国のMTB事情は日本とほとんど変わらず、使用しているパーツ、乗っているブランドなど、どれも日本でお馴染みのものがほとんどだった。女性から年配の方まで、年齢性別関係なく多くの参加者がいてお祭りムード満載のイベントに感じた。メイン会場となったのは、江陵市役所の広場で、そこからパレード走行をし、スタート地点まで向った。僕と竹谷選手は大集団(1700名)の先頭を引っ張った。スタート地点に到着し、後ろを確認してみると、大行列ができていて壮大な景色が広がっていた。圧巻だった。今回、サングラスは「SUPERNOVA」を使用し、レンズは「LSTトレイルS」を使い、強い日差しを遮り、集中力をキープさせてくれた。
少し時間をおいてスタートとなった。スタートと同時に韓国選手がフルアタックで、ペースを上げていく。僕もそれに応戦し、先頭交代していく。コース序盤(約4km)は平坦基調のため、ロードレースさながらのペースで走っていく。ギアもアウタートップが軽く回りきるくらいのスピードだった。何度かペースが落ち着くと、僕と竹谷選手2人交互にアタックをし、集団を活性化すべく積極的に動いた。そして、少し登り始めたところで僕が単独アタックをし、集団に50mくらいの差をつけることに成功した。後ろからは竹谷選手が「いけ?????!!!!!!!!」の声。十分な距離がつくまでほぼ全開で踏んでいった。すると、韓国代表の選手が1人で追いついてきて、登り始め序盤を2人で登っていった。先頭はほとんど僕で、先頭交代の合図をしてもなかなか、前を引いてくれなかった。でも、先頭固定も嫌だったので、少し走るラインをずらしながら、登っていった。そうこうしているうちに、ペースの上がらない僕ともう1人。後ろからは数名の選手が追ってきていた。明らかに後ろの方がペースが速く、追いつかれることがわかったので、追いつかれる瞬間を待った。そして、1人が追いついてきた瞬間にカウンターアタックでさらにペースを上げていった。思いっきりアタックした。すると、それに反応したのは、先程とは違う韓国選手。小柄で細く、明らかに軽々登っている。この選手は先頭交代に積極的でリズム良く登っていく事ができた。登っている最中、様々なことを観察した。一緒に走る選手がだんだんペースダウンしている事。斜度が急になると、極端にスピードが落ちる事。緩斜面でペースを上げると、息が乱れる事などなど・・・・・。 だんだん、自分が優勝するイメージが湧いてきた。残り5kmくらいのポイントだろうか、細かくカーブが続き、コーナーのイン側が急になっているところを使って、思いっきりアタックした。MTBだけど、ロードのダンシングのように。回転数を上げ、ただ後ろの選手を引き離す事だけに集中した。すると、すぐに差を広げる事ができた。あとは、「この差を保ちます作戦」に変更。残りの距離を考えると、この作戦がBESTだと思った。コーナーの度に後ろを確認し、自分のペースでレースを展開していく事ができた。そして、ラスト2kmのポイントで、さらにペダルに力を込め、ペースアップをしていった。どんどん、離れていき見えなくなった。あとは、最後まで全開で行くことを心に、前だけを見て走った。久々の1位の感覚。これを脳ミソにインプットすべく、噛みしめながら走った。「これだ!この積極性だ!!」そう思いながら、最後の直線を走った。そして、ゴール。時間44分33秒。コースレコードを更新した。
 今回の良い感触を保ちながら、残り1戦となったJシリーズに望みたいと思います。もちろん、目指すは優勝。何が何でも勝ちたいです。それまで、残り1ヵ月半。全力でがんばります!!!!!!
 今回の遠征を支えてくれた、すべての方に感謝します。
 これからも、応援&サポートお願い致します。


   キャノンデール・ディアドラレーシングチーム 山本和弘


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